ー政治を志したきっかけは何ですか?
竹田:私は大学2年時に当時の国民金融公庫立川支店から融資を受けて商売を始め、働きながら大学に通いました。27歳で結婚して立川市内で新婚生活をスタートしましたが、次女が超未熟児で生まれ、たくさんの方にお世話になりながら必死で育てるという経験をしました。そこで見たのは、病院で亡くなっていく子供たちや、負担に耐えきれず家族が崩壊していく姿でした。
また、医療関係者に何か恩返しができないかと思っていたところ、高校の先輩との縁で、病院と老人施設を運営する社会福祉法人の理事をすることになりました。そこで私が見たのは、自民党政権下で老人医療費を削られ、苦しむお年寄りの姿でした。
医療費の不安から、父親の治療を止めてほしいと涙ながらに訴える方もいました。誰もが安心して医療や介護を受けられる国にしたい、命だけは平等だと思える社会を作りたい、これが私の原点です。昨年から続くコロナ禍で、その思いは一層強くなっています。
ーコロナ禍では政府の判断ミスと後手後手の対応が浮き彫りになりました。
自公政権下で政治が機能していない現状に強い危機感を持ちました。どうして世界でも有数の病床数を持ち、国民もみんな頑張り、患者も重症者も比較的少ない日本で医療ひっ迫や医療崩壊が起きるのか。これは政治の責任です。
まず国が先導してコロナ専門病院を早期に作るべきでした。コロナと一般医療との切り分けをしなかった事が医療
崩壊を招いたのは明らかです。また住む場所や働く環境による不平等も顕在化しました。非常時の政治を平時に準備しておく事が大切です。医療と介護の現場に24年間携わった経験を活かしたいと思っています。
ー竹田さんは学生時代に大学に通いながら事業を始めていますね。
働く両親の背中を見て育ったので、一日も早く社会に出たいという気持ちでした。長くやってきて思うのは、
中小企業が元気な社会を作りたいという事です。私は法人税の税率を変えるべきだと思っています。資本金1億
円以下の法人とそうでない法人の税率は最大でも約8%しか違わない。これでは中小企業は耐えられない。法人
税にも累進課税を導入するなど中小企業税制の見直しを進める必要があると考えます。また、昔は地域の仲間が
町内会、商店会、青少年活動など様々な奉仕活動をしてきました。私自身、商店街の一員として仲間とともに街
を支えることが当たり前と思っていました。しかし今は一緒に活動した多くの商店が無くなり、地域の繋がりも
一体感も薄れてしまった。地域が子どもたちを見守り育てるという大切な面も失われてきています。子どもたち
は国の、地域の宝です。
ー「将来世代への徹底投資」も日本維新の会の基本政策の一つです。
平成の30年間は日本にとって残念ながら凋落の30年でした。「世界競争力ランキング」で1990年前後に1位
だった日本の国際競争力は31位まで落ちています。バブル崩壊以降、賃金もほとんど上がらず、他の先進国に比べて日本の特異さは際立っています。賃金が上がらなければ経済も成長しません。経済成長と格差解消を実現して、子どもや若者が未来に希望を持てる国にしなければいけません。「人づくりは国づくり」です。私は「教育の無償化」が日本を立て直す大きな柱だと思っています。
ー座右の銘は「誠心誠意」ですね。
政治には何よりまず信頼が大切です。「納得できる説明をしない」「検証しない」政治では、どんな政策も改革も進みません。ウソや隠蔽、ごまかし、責任逃れと開き直りの政治を終わらせ、政治に信頼を取り戻す。日本大改革は待ったなしです。現在の延長線上に解決策はありません。日本維新の会は、しがらみや古い規制に縛られず、市民重視の発想で今の仕組みを変えていく是々非々の政党です。なんでも反対するだけではない、保守系野党としての日本維新の会に期待していただきたいと思います。
竹田光明さんは大学2年の時に事業を起こし、その後は病院・老人施設の理事、大学客員教授、衆議院議員を一期務めるなど、長年にわたり様々な現場経験を積んだ、このコロナ禍の日本の国政を任せるにふさわしい有能な人材です。私たち日本維新の会の仲間として、竹田光明さんの豊富な経験は国政の場でも十二分に活かされることと確信しています。